大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和38(あ)1154 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人青山良三の上告趣意について。

所論は事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。

被告人Bの弁護人宮原守男、同田邨正義の上告趣意第一点について。

公職選挙法(昭和三七年五月一〇日法律第一一二号による改正前のもの)二五二

条の規定が憲法一四条、一五条、四四条に違反するものでないことは、当裁判所判

例(昭和二九年(あ)第四三九号、同三〇年二月九日大法廷判決、集九巻二号二一

七頁、昭和二四年(れ)第一九〇九号、同二五年四月二六日大法廷判決、集四巻四

号七〇七頁)の趣旨に徴し明らかであるが、所論は、被告人の本件所為は何ら選挙

の公正を阻害し、もしくは阻害するおそれのない特殊の場合であると前提し、かか

る特殊の場合にまで選挙権被選挙権の停止に関する右公職選挙法二五二条一項の規

定を適用しない旨宣告しなかつた原判決は、憲法の右各条規に違反するというにあ

る。しかしながら、「公職選挙法二五二条所定の選挙犯罪は、いずれも選挙の公正

を害する犯罪であつて、かかる犯罪の処刑者は、すなわち現に選挙の公正を害した

ものとして、選挙に関与せしめるに不適当なものとみとめるべきである」(前記昭

和三〇年二月九日大法廷判決参照)から、所論の前提自体採るを得ない。原判決が

右公職選挙法二五二条所定の選挙犯罪の一つである買収罪を犯した被告人Bに対し

選挙権被選挙権の停止期間を一年に短縮したにとどまりその停止に関する規定を適

用しない旨宣告しなかつた第一審判決を是認したからといつて、それは所論憲法の

各条規に違反するものでなく右公職選挙法二五二条三項の規定に従つたものである

にすぎず、これを目して違憲ということはできない。所論違憲の主張は理由がない。

その余の論旨は審理不尽、事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。

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同第二点について。

所論は事実誤認ないし原判決の認定に副わない事実関係に基づく単なる法令違反

の主張であつて、(なお被告人Bの捜査官に対する供述調書が任意性を欠くと認む

べき資料は存しない。また引用の各判例は本件に適切を欠く)適法な上告理由に当

らない。

同第三点について。

所論は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて適法な上告理由に当らない。

同第四点について。

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

右被告人の弁護人小林蝶一、同田頭忠の上告趣意第一点について。

所論は違憲をいうけれども、原判決が同被告人の本件所為につき適用処断した前

記公職選挙法二五二条の規定が所論憲法の各条規に違反するものでないことは、既

に弁護人宮原守男、同田邨正義の上告趣意第一点に対する判断において判示したと

おりであるから所論は理由がない。

同第二点について。

所論は事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。

同第三点について。

所論は量刑不当の主張であつて適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三八年九月一三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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裁判官 草 鹿 浅 之 介

裁判官 城 戸 芳 彦

裁判官 石 田 和 外

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